IAS第38号「無形資産」

丸紅、ガビロン買収効果 14年3月期、純利益200億円見込む (IAS38号)

丸紅による米穀物3位ガビロン(ネブラスカ州)買収で、約2860億円にのぼる買収資金の調達方法や、収益の押し上げ効果の詳細が分かった。丸紅の2014年3月期には200億円程度の純利益押し上げ効果が見込めそうだ。買収資金の一部は借り入れで賄うが、保有資産の流動化も進め、純有利子負債の資本に対する倍率が悪化しないようにする。

今回の買収完了は早くて9月。ガビロンが丸紅の収益に本格貢献するのは14年3月期以降だ。丸紅の13年3月期は、純利益で2000億円と2期連続の最高益を狙う。その1割に相当する規模の利益が来期に上積みできれば、3期連続の最高益も視野に入る。

ガビロンの純資産は約19億ドル買収金額の36億ドルから引いた17億ドル程度がいわゆるのれん代に相当する。丸紅は米国会計基準を採用しているため、のれん代を償却する必要は基本的にはない。ただ、17億ドルのうち顧客リストや商標権といった4億ドル程度の無形固定資産を10~15年かけて償却する方向で調整中だ。

丸紅は13年12月期のガビロンの利益水準を3億ドル(約240億円)程度と想定しているもよう。このうち、買収に絡む借入金の金利負担や償却費用を除いても、丸紅の既存の穀物事業との相乗効果が年数千万ドル見込めるため、丸紅の来期決算では、ガビロンは純利益で200億円程度の貢献が期待できそうだ。

丸紅の業績予想の市場平均(QUICKコンセンサス)をみても、14年3月期の純利益予想は2175億円と3期連続の最高益を予想している。

約2900億円の買収資金の調達にもメドがついた。約1500億円は手元資金をあてる。3月末の現金および現金同等物期末残高は6773億円ある。また残りの1400億円程度は金融機関からの長期借入金で賄う方針だ。

一方、流動性の高い保有資産の一部を売却する準備も進めている。銀行借り入れと同規模の手元資金を積み増すことで、純有利子負債の額は期初計画通り2兆円程度にとどめる方針。今期末の純有利子負債の資本に対する倍率(ネットDEレシオ)は、1.8倍程度(前期は1.9倍)に改善するとみられる。

丸紅、ガビロン買収効果 14年3月期、純利益200億円見込む
2012/6/7 2:00 情報元 日本経済新聞 電子版

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■国際会計基準では

IAS38号「無形資産 (Intangible Assets)」から、
「企業結合の一部としての取得」に関する規定を引用します。

【原文】karaoke
33 In accordance with IFRS 3 Business Combinations, if an intangible asset is acquired in a business combination, the cost of that intangible asset is its fair value at the acquisition date. The fair value of an intangible asset will reflect market participants’ expectations at the acquisition date about the probability that the expected future economic benefits embodied in the asset will flow to the entity. In other words, the entity expects there to be an inflow of economic benefits, even if there is uncertainty about the timing or the amount of the inflow. Therefore, the probability recognition criterion in paragraph 21(a) is always considered to be satisfied for intangible assets acquired in business combinations. If an asset acquired in a business combination is separable or arises from contractual or other legal rights, sufficient information exists to measure reliably the fair value of the asset. Thus, the reliable measurement criterion in paragraph 21(b) is always considered to be satisfied for intangible assets acquired in business combinations.

【訳】
第33項 IFRS3号「企業結合」にしたがって、無形資産が企業結合にともなって取得された場合、その無形資産の原価は取得日における公正価値である。無形資産の公正価値は、その資産に内包される期待される将来の経済的便益が企業に流入する可能性に関する、市場参加者の取得日における期待を反映する。いいかえれば、たとえ流入の時期や額に関して不確実性があったとしても企業は経済的便益の流入があることを期待しているといえる。それゆえ、21(a)項の可能性認識基準は、企業結合において取得される無形資産に関して常に満たされるものと考えられる。企業結合において取得された資産が分離可能であるか、または、契約上その他の法的権利から発生する場合、その資産の公正価値を信頼性を持って測定するための十分な情報が存在する。このため、企業結合において取得される無形資産について、21(b)項の信頼性測定基準も常に満たされると考えられる

■きょうの単語
probability [prɑ`bəbi'ləti] 【名】 可能性、見込み、起こりそうな出来事

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明治HD、営業益8%増 医薬事業が好調 (IAS38号)

明治ホールディングスの2011年3月期は、連結営業利益が従来予想を15億円程度上回り、前期比約8%増の310億円前後になる見通しだ。医薬事業で新薬が堅調なことに加え、後発医薬品の伸びが収益を下支えする。11年4月のグループ再編に備えた費用の一部計上や、研究開発費の積み増しで1~3月期は赤字 となるが、全体では増益幅が計画より拡大する。

医薬品で新薬の抗うつ薬「リフレックス」や抗菌薬「オラペネム」、後発医薬品の販売が想定より増加。薬価改定による減益要因を吸収して上振れ要因となる。

売上高は1%増の1兆1200億円程度と、予想を確保する見込み。後発医薬品の出荷増や猛暑効果によるアイスクリームの販売増、ヨーグルトの伸びが寄与する。前期に新型インフルエンザの特需があったうがい薬「イソジン」の反動減はあるが、菓子は第3四半期以降に下げ止まったもようで、全体で増収となる見通しだ。

11年1~3月期は営業赤字の見込み。乳業では不需要期にあたるほか、11年4月に明治製菓と明治乳業を食品会社「明治」と製薬会社「Meiji Seika ファルマ」に再編するため、パッケージ刷新などの費用が発生する。

菓子事業で、砂糖やカカオなど原材料の高騰が重荷となっているもよう。ただ、生産面での合理化で大部分を吸収できる見通し。乳業も円高による輸入単価押し下げが寄与し、影響は限定的とみられる。

12年3月期は売上高では今期見込み比横ばい程度、営業利益は増える計画。猛暑でアイスクリームが好調だった反動や一部新薬の販売減速で、増収は見込みにくいとみられる。飼料価格の高騰で乳原料の価格上昇懸念はあるが、コスト削減などで対応する考えだ。

明治HD、営業益8%増 医薬事業が好調 今期310億円 予想より15億円上振れ
2011/3/4 日本経済新聞 朝刊)

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■国際会計基準では

IAS38号「無形資産 (Intangible Assets)」の、
第52項から第64項までに、
「内部創出研究開発費」
に関する規定があります。

「内部創出」とあるのは、
M&A(企業の買収・合併)等の
企業結合によって取得した
研究開発費と区別するためです。

【原文】karaoke
52 To assess whether an internally generated intangible asset meets the criteria for recognition, an entity classifies the generation of the asset into:
(a) a research phase; and
(b) a development phase.
Although the terms ‘research’ and ‘development’ are defined, the terms ‘research phase’ and ‘development phase’ have a broader meaning for the purpose of this Standard.

【訳】
第52項 社内で創出された無形資産が
認識基準に合致するかを評価するために、
企業は、その無形資産の生成を
以下の2つの段階に分類する:
(a) 研究段階
(b) 開発段階

「研究」と「開発」という用語は定義されているが、
「研究段階」と「開発段階」という用語は、
この基準の目的に合わせて、
より広い意味で使われる。

■きょうの単語
phase [fe'iz] 【名】 段階、局面

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開発費会計

日本の会計基準と国際会計基準(IFRS)の共通化で、研究開発費の扱いが焦点になっている。全額を費用計上する日本に対して、IFRSは開発費の一部を資産計上する点に違いがある。

企業の判断、異なる懸念 谷口進一氏(新日本製鉄副社長)

――開発費の資産計上をどうみるか。

「製造業の立場では、IFRSが求める6要件に沿ってどう判断するか難しい。開発担当者の視点で見れば一つ一つの技術を完成させ、使う意志はある。だが製品化までの過程は千差万別。製品化のタイミングも異なる。技術部門が判断するにしても作業がかなり煩雑になりそうだ」

「もう一つは比較可能性の問題だ。どこまで資産計上するかという判断は同じ業種でも異なる可能性があり、損益にも影響する。日本が開発費を全額、費用処理するのは、比較可能性が保てるとの判断からだ」

――資産計上した分の製品化が遅れると、減損の対象となる可能性がある。

「結果として減損が生じる事態は想定できる。製品サイクルは短くなっており、競争条件の変化も速い。開発費を全額費用で処理せず、一部を資産に計上する場合は一定の減損が生じるリスクを考慮する必要があるだろう」

――単独決算については、企業から税法や会社法との調整を求める声が上がっている。

「IFRSは主に連結決算が対象。国際的な流れに合わせる必要性は理解するが、企業経営にとっては単独も重要だ。税と会計が離れれば、二重計算が生じ、非効率な側面が出てくる可能性がある」
資産計上で原価を適切に 山田辰己氏(国際会計基準審議会理事)

――開発費に対するIFRSの考え方は。

「現行の日本基準は開発費を全額費用としているが、IFRSは製品化が『かなり確実』となった時点からの費用は資産計上を求めている。基本的な考え方は製品化にかかった費用と得られる収益を対応させること。製品を売って得る収益に対応させるべき原価を適切に計算しようというものだ」

「製品化のメドが立ったと判断する要件は6つある。開発の最終段階で新しい技術を使った金型や試作品ができていたり、実験プラントを設けたりしている場合は該当する可能性が大きい」

――製造業の一部から研究費と開発費を分けるのは難しいとの指摘がある。

「技術革新が激しい分野では、研究と開発を分けられないケースもあるだろう。明確に分けられない場合、IFRSも費用で落とす処理を認めている。早い段階で資産に計上すると、製品化につながらないリスクがあるためだ」

――開発費を含む無形資産の基準をわかりやすく見直してほしいという声もある。

「個人的な意見だが、今夏以降、国際会計基準審議会(IASB)で取り組む課題となりうるだろう。日本だけでなく、豪州からも見直してほしいという要望が寄せられており、現在は調査中の段階にある」

IFRSと日本 論点を聞く(2) 開発費会計 2011/2/3 4:00 日本経済新聞 朝刊

   +++

■国際会計基準では

IAS38号「無形資産 (Intangible Assets)」に
「開発段階」に入ったと認められるための要件が
挙げられています。

【原文】karaoke
Development phase
57 An intangible asset arising from development (or from the development phase of an internal project) shall be recognised if, and only if, an entity can demonstrate all of the following:
(a) the technical feasibility of completing the intangible asset so that it will be available for use or sale.
(b) its intention to complete the intangible asset and use or sell it.
(c) its ability to use or sell the intangible asset.
(d) how the intangible asset will generate probable future economic benefits.
Among other things, the entity can demonstrate the existence of a market for the output of the intangible asset or the intangible asset itself or, if it is to be used internally, the usefulness of the intangible asset.
(e) the availability of adequate technical, financial and other resources to complete the development and to use or sell the intangible asset.
(f) its ability to measure reliably the expenditure attributable to the intangible asset during its development.

【訳】
開発段階
第57項 開発(または内部プロジェクトの開発段階)から生じる無形資産は、
会社が以下のすべてを証明できるときに限って、
認識することができる。
(a) 使用または売却が可能になるような、
 無形資産を完成する技術的な可能性
(b) 無形資産を完成し、使用または売却する意思
(c) 無形資産を使用または売却する能力
(d) 無形資産が有望な将来の経済的便益を生み出す方法。
 中でも、その無形資産からの生産物や無形資産そのものの市場の存在
 (資産が社内で使用される場合にはその有用性)を
 証明することができること。
(e) 開発を完了し、その無形資産を使用または売却するための
 十分な技術的、財務的その他の資源が使用できること
(f) 開発中の無形資産に帰属する支出を
 信頼性を持って測定できる能力

※ 開発費を資産計上するためには、
上記6つの観点から、
その支出が将来の経済的便益(≒収益)の獲得に
貢献する可能性が十分に高いことを
証明することが求められます。

■きょうの単語
attributable [ətri'bjutəbl] 【形】 (~に)起因する

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板硝子、IFRSなら今期純利益10倍に 来期の適用控え影響を試算

IFRS
日本板硝子は25日、国際会計基準(IFRS)を適用した場合の2011年3月期業績予想の試算を公表した。純利益は104億円と、日本基準(10億円)に比べて約10倍に膨らむ。IFRSでは英ガラス大手ピルキントン買収に伴うのれんの償却がなくなり、利益が押し上げられる。

板硝子は12年3月期にIFRSを早期適用する。11年3月期は、日本基準とIFRSのそれぞれの基準で作成した決算を発表する。これに先駆け今期の業績予想への影響を試算した。

日本基準とIFRSの違いの1つは、企業を買収した際に発生する「のれん」の償却。IFRSでは、買収先の価値が著しく目減りしたときに減損処理をする。板硝子の場合、日本基準で計上するのれんや一部の無形固定資産の償却がIFRSではなくなる。

前期の貸借対照表への影響も試算した。IFRSに基づく資本は1999億円と日本基準より17%少なくなる。年金の積み立て不足や資本計上していた優先株300億円を負債に計上する分、目減りする。

ただ、11年3月期には優先株をすべて買い入れ消却したほか、約400億円の増資も実施。今期以降はIFRSを適用した場合の日本基準と比べた資本の目減りは小幅にとどまりそうだ。

(板硝子、IFRSなら今期純利益10倍に 来期の適用控え影響を試算
2011/2/26付 日本経済新聞 朝刊 )

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■国際会計基準では

IFRS第3号「企業結合 (Business Combinations)」
より、「のれんの事後測定」に関する規定を引用します。

【原文】karaoke
Other IFRSs that provide guidance on subsequent measurement
and accounting (application of paragraph 54)
B63 Examples of other IFRSs that provide guidance on subsequently measuring and accounting for assets acquired and liabilities assumed or incurred in a business combination include:
(a) IAS 38 prescribes the accounting for identifiable intangible assets acquired in a business combination. The acquirer measures goodwill at the amount recognised at the acquisition date less any accumulated impairment losses. IAS 36 Impairment of Assets prescribes the accounting for impairment losses.

【訳】
事後の測定および会計処理に関する指針を与える他の基準
(第54項の適用)

B63 企業結合によって取得した資産、
および引き継いだまたは発生した負債の
事後的な測定および会計処理に関する指針を定める
他の基準の例には、以下のものがある。
(a) IAS第38号「無形資産」は、
企業結合で取得した識別可能な無形資産の会計処理を規定している。
取得企業はのれんを、
取得日に認識した金額から減損損失累計額を控除した金額で測定する。
IAS第36号「資産の減損」は、減損損失の会計処理を規定している。

IAS第36号「資産の減損 (Impairment of Assets)」には、
「のれんを含む現金生成単位の減損テスト」に関する規定があります。

【原文】karaoke
90 A cash-generating unit to which goodwill has been allocated shall be tested for impairment annually, and whenever there is an indication that the unit may be impaired, by comparing the carrying amount of the unit, including the goodwill, with the recoverable amount of the unit. If the recoverable amount of the unit exceeds the carrying amount of the unit, the unit and the goodwill allocated to that unit shall be regarded as not impaired. If the carrying amount of the unit exceeds the recoverable amount of the unit, the entity shall recognise the impairment loss in accordance with paragraph 104.

【訳】
第90項 のれんが配分された現金生成単位は、
毎期、および減損の兆候がある場合には随時、
のれんを含む当該単位の簿価と回復可能価額を比較することによって、
減損テストを行わなければならない。

当該単位の回復可能価額が帳簿価額を上回る場合には、
当該単位とのれんは減損していないものとみなされる。

当該単位の帳簿価額が回復可能価額を上回る場合には、
企業は第104項にしたがって、減損損失を認識しなければならない。

なお、日本の会計基準ではのれんを償却しますが、
のれんは、他の固定資産と同様に減損の対象にもなっています
「固定資産の減損に係る会計基準」、および
企業会計基準適用指針第6号「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」
を参照)。

■きょうの単語
prescribe [priskra'ib] 【他動】 命じる、規定する

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年金や開発費の調整難航 「単体」の扱い焦点に(IAS38号)

IFRS
日本の会計基準の国際化を目指し2005年から進められてきた、国際会計基準(IFRS)との違いをなくす「共通化」作業が揺れている。企業経営への影響や個別財務諸表の扱いを巡る議論が決着せず、年金や開発費の基準づくりが遅れているためだ。一方、IFRSそのものを採用する企業も出始めており、かじ取りが難しくなっている。

日本の会計基準づくりを担う企業会計基準委員会(ASBJ)は12月16日、当初年内をメドにしていた開発費や「のれん代」に関する公開草案の発表を11年1~3月に先送りした。連結決算を巡っては大きな異論は少ないものの、特に単体財務諸表を巡り「税法や会社法と密接に絡み調整が必要」(日本経団連)との声が多く、意見調整に時間がかかるためだ。

ASBJは国際会計基準審議会(IASB)と主な基準の差の解消を目指した07年の「東京合意」に基づき、共通化作業を進めてきた。期限は11年6月だ。

かねて欧州連合(EU)の証券規制委員会に差を指摘されていた26項目の基準作りは、製造業などの関心が高い開発費などを残すのみ。だが調整は難航中だ。

11月15日早朝。東京・日比谷の財務会計基準機構に有力企業の財務担当役員や会計界の首脳が集まり、開発費を巡る議論を繰り広げた。日本基準では開発費の全額を費用として計上するが、IFRSでは「将来、経済的価値を生み出す」と判断できる6つの条件を満たす場合は資産に計上する必要がある。

これに対し素材や電機といった大手製造業の財務担当幹部からは、「開発費の定義は業界や企業でバラバラ。実務負担も重い」「資産計上すれば課税所得が増えて税負担が重くなりかねない」「資産計上した開発案件が失敗すれば含み損が生じる可能性がある」といった異論が出た。

((会計基準 揺れる共通化)(上)年金や開発費の調整難航 「単体」の扱い焦点に
2010/12/23付 日本経済新聞 朝刊)

   +++

■国際会計基準では

IAS38号「無形資産 (Intangible Assets)」に、
開発費の資産計上に係る6要件の規定があります。

【原文】karaoke
Development phase
57 An intangible asset arising from development (or from the development phase of an internal project) shall be recognised if, and only if, an entity can demonstrate all of the following:
(a) the technical feasibility of completing the intangible asset so that it will be available for use or sale.
(b) its intention to complete the intangible asset and use or sell it.
(c) its ability to use or sell the intangible asset.
(d) how the intangible asset will generate probable future economic benefits.
Among other things, the entity can demonstrate the existence of a market for the output of the intangible asset or the intangible asset itself or, if it is to be used internally, the usefulness of the intangible asset.
(e) the availability of adequate technical, financial and other resources to complete the development and to use or sell the intangible asset.
(f) its ability to measure reliably the expenditure attributable to the intangible asset during its development.

【訳】
開発段階
第57項 開発(または内部プロジェクトの開発段階)から生じる無形資産は、
会社が以下のすべてを証明できるときに限って、
認識することができる。
(a) 使用または売却が可能になるような、
 無形資産を完成する技術的な可能性
(b) 無形資産を完成し、使用または売却する意思
(c) 無形資産を使用または売却する能力
(d) 無形資産が有望な将来の経済的便益を生み出す方法。
 中でも、その無形資産からの生産物や無形資産そのものの市場の存在
 (資産が社内で使用される場合にはその有用性)を
 証明することができること。
(e) 開発を完了し、その無形資産を使用または売却するための
 十分な技術的、財務的その他の資源が使用できること
(f) 開発中の無形資産に帰属する支出を
 信頼性を持って測定できる能力

※ 開発費を資産計上するためには、
上記6つの観点から、
その支出が将来の経済的便益(≒収益)の獲得に
貢献する可能性が十分に高いことを
証明することが求められます。

■きょうの単語
attributable [ətri'bjutəbl] 【形】 (~に)起因する

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特許使用権 保護を強化 特許法改正へ 「横取り」救済策も(IAS38号)

IFRS
特許庁が2011年の通常国会に提出する特許法改正案の全容が29日、明らかになった。「真の発明者」への名義変更をしやすくすることや、特許を持つ企業が買収され所有権が移っても、第三者の特許使用権はそのまま維持される条項を盛り込んだ。経済のグローバル化に対応して日本企業の知的財産を保護するのが狙い。研究開発やイノベーションを後押しする。

特許庁は30日に開く産業構造審議会(経済産業相の諮問機関)の特許制度小委員会で、特許法改正案の原案を説明する。

目玉は特許使用権(ライセンス)の保護強化。現在は特許庁に特許利用に関する当事者間の契約を登録していない企業が買収され、特許の所有権が移転すると、特許のユーザーは利用差し止めや損害賠償請求を起こされる可能性があった。

特許を使う側から見ると、契約があるにもかかわらず使用権が失われる恐れがあることになる。そこで今回の改正案では特許の保有企業が経営破綻したり、買収されたりしても、ユーザーの使用権をそのまま認めるように変更する。

特許横取りの救済措置も盛り込む。本来の発明者でない人や企業が出願して得た特許の名義を、訴訟を通じて真の発明者に変更できるようにする。欧米にも同様の制度がある。現行法では事実上、特許を無効にする以外に真の発明者が対抗する手段がなく、再出願も極めて制約が大きい。これにより下請け企業が取引先にアイデアを盗まれたり、共同研究者が抜け駆け的に特許を取得したりすることを防げるようになる。

企業の従業員が自らの発明の対価を求めて企業を訴える「職務発明訴訟」では、裁判所による証拠提出命令を盛り込むことを見送った。機密情報を漏らした訴訟関係者に刑事罰を科すことを前提に、企業の証拠提出義務を強化することを目指したが、情報漏れに対する産業界の懸念が強いことに配慮した。

知的財産の積極的な取得・活用は政府が6月にまとめた新成長戦略でも重要政策のひとつにあがっている。日本での特許出願は06年から4年連続で減少。ただ逆に世界では出願が増える傾向にあり、特許庁も企業が使いやすい制度を整えないと産業競争力が低下しかねないとの懸念を強めていた。

特許法改正案の概要
○買収などで特許所有権が移転した後も特許使用権の継続を可能に
○特許の真の発明者への名義変更を可能にする救済措置を整備
○特許の有効性の判断で、判決確定後は裁判所が優先する措置を導入
○学会公表後も特許出願を認める制度導入
○審査請求料の引き下げ
○中小企業に対する減免制度の拡充

特許使用権
▽…特許を使う権利のこと。特許権の保有者が認めれば、第三者も特許を使用できるようにする枠組みで、法的には「実施権」と呼ばれる。1人が発明を独占的に利用できる「専用実施権」と複数の企業や個人が契約できる「通常実施権」の2つがあり、今回の法改正では通常実施権のあり方が見直される。
▽…専用実施権の契約では特許庁への登録が不可欠だが、通常実施権は企業間の合意のみでも成立する。数千単位の使用権が入り組んだハイテク製品などを扱う企業では、全ての使用権を特許庁に届け出るのは実務上不可能になっている。

(特許使用権 保護を強化 特許法改正へ 「横取り」救済策も
2010/11/30  日本経済新聞 朝刊)

   +++

■国際会計基準では

コンピュータ・ソフトウェア、特許権、著作権、映画フィルム、顧客リストなど、
無形の財産の取得や開発に要した支出は必ずしも、
財政状態計算書上に資産として計上されているわけではありません。

無形資産として認識するためには、
①識別可能性 (identifiability)
②資源に対する支配 (control over a resource)
③将来の経済的便益の存在 (existence of future economic benefits)
の3つの条件を満たすことが必要です。

IAS第38号「無形資産 (Intangible Assets)」より、
「識別可能性」に関する規定を引用します。

【原文】karaoke
Identifiability
11 The definition of an intangible asset requires an intangible asset to be identifiable to distinguish it from goodwill. Goodwill recognised in a business combination is an asset representing the future economic benefits arising from other assets acquired in a business combination that are not individually identified and separately recognised. The future economic benefits may result from synergy between the identifiable assets acquired or from assets that, individually, do not qualify for recognition in the financial statements.

【訳】
識別可能性
無形資産の定義は、のれんと区別して識別できることを要件としている。

企業結合において認識されたのれんは、
企業結合によって取得した他の資産で、
個別に識別したり、分離して認識したりすることができないようなもの
から生じる将来の経済的便益を表す資産である。

将来の経済的便益は、取得した識別可能な資産の間の相乗効果や、
単独では財務諸表での認識要件を満たさない資産から
生じることもありえる。

【原文】karaoke
Identifiability
12 An asset is identifiable if it either:
(a) is separable, ie is capable of being separated or divided from the entity and sold, transferred, licensed, rented or exchanged, either individually or together with a related contract, identifiable asset or liability, regardless of whether the entity intends to do so; or
(b) arises from contractual or other legal rights, regardless of whether those rights are transferable or separable from the entity or from other rights and obligations.

【訳】
第12項 資産は、以下のいずれかの場合に識別可能であると言える。
(a) 分離可能であること。
 すなわち、企業にその意図があるか否かに関わらず、
 企業、および、個別にまたは関連する契約とともに
 売却・移転・認可・賃貸または交換される
 識別可能な資産または負債から分離または分割することができる。
(b) 契約上の権利その他の法的な権利から生じていること。
 なお、それらの権利が移転可能であるか、または、
 企業や他の債権・債務から分離可能であるかには依らない。

(a) が実質的な要件、(b) が形式的・外形的な要件で、
いずれかを満たせば「識別可能である」と言えます。

■きょうの単語
synergy [si'nəːrʤi] 【名】 相乗効果

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国際会計基準、経営を変える――R&D投資

IFRS
研究開発(R&D)投資は企業の将来の競争力を大きく左右する。R&D費の取り扱いも日本基準と国際会計基準(IFRS)で違いがあり、対応が必要になりそうだ。

R&D費は、新知識発見や基礎技術確立を目指す「研究費」と、研究成果を製品やサービスの形にしていく「開発費」に分けられる日本基準では、研究費も開発費も発生した時に費用として損益計算書に計上する。

IFRSでは、開発費の処理が異なる。開発費は「実用化が確実な製品やサービスのための支出」で、例えば使用した資材やサービスなどの原価、人件費などを「無形資産」として「財政状態計算書(貸借対照表に相当)」に計上する。

無形資産とは、実体はないが識別はできる非貨幣性の資産をいう。日本基準では無形固定資産にあたる。具体的には、コンピューターのソフトウエア、特許、著作権、顧客名簿などだ。

開発段階では、他社の特許使用権(ライセンス)を使うための対価や、自社技術の法的権利を登録する手続きを依頼した弁護士らへの報酬などが発生する。IFRSではこれらの費用を無形資産と考えるのだ。

影響が大きいと考えられるのが自動車、電機、医薬品などのメーカーだ。大手各社は巨額のR&D費を計上している。

IFRSの適用で開発費を無形資産として計上し、これまでのように費用として処理しなくなれば、短期的には利益剰余金を押し上げる要因となり、自己資本の増加につながる。企業はR&Dを推進しやすくなる。

企業が開発費を無形資産とするには、いくつかの要件を満たす必要がある。経済価値が発生する可能性とその資産の取得原価の信頼性がともに高くなければならない。具体的には(1)技術的に実用化の可能性がある(2)実用化の意図がある(3)実用化する能力がある(4)市場が存在する(5)営業や販売のノウハウがある(6)開発段階の支出を信頼性をもって把握できる――の6要件だ。

無形資産として計上すれば償却(費用化)の必要がある。その資産で生み出した製品を販売し続けると想定した期間で償却しなければならない。

実際には、家電製品などは製品寿命が短いため、無形資産として計上し、販売期間中に償却するのは難しい場合がありそうだ。すぐに販売打ち切りにした場合はどう処理するかなど、評価が難しい局面も予想される。

(国際会計基準、経営を変える――R&D投資(マンスリー編集特集)
2010/03/19  日経産業新聞  16ページ)

   +++

■国際会計基準では

IAS第38号「無形資産 (Intangible Assets)」に、
「研究局面および開発局面における支出の資産計上の考え方」
に関する記載があります。

【原文】karaoke
55 In the research phase of an internal project, an entity cannot demonstrate that an intangible asset exists that will generate probable future economic benefits.
Therefore, this expenditure is recognised as an expense when it is incurred.

58 In the development phase of an internal project, an entity can, in some instances, identify an intangible asset and demonstrate that the asset will generate probable future economic benefits. This is because the development phase of a project is further advanced than the research phase.

【訳】
第55項 社内プロジェクトの研究段階では、
企業は、将来の経済的な便益を生み出す可能性のある
無形資産が存在することを証明することができない。
したがって、支出は生じた期に費用として認識される。

第58項 社内プロジェクトの開発段階では、
企業は、無形資産を識別し、
その資産が将来の経済的便益を生み出す可能性があることを
証明できる場合がある。
これは、プロジェクトの開発段階は、
研究段階にくらべて進展しているためである。

■きょうの単語
probable [prɑ'bəbl] 【形】 ありそうな、ありうる

※ 現行のIAS第37号
「引当金、偶発債務および偶発資産
(Provisions, Contingent Liabilities and Contingent Assets)」の中に、

‘probable’ に関して、次の注記があります。

The interpretation of ‘probable’ in this Standard as ‘more likely than not’ does not necessarily apply in other Standards.

【訳】
この基準における、
「起こらないよりは起こる可能性の方が高い(可能性50%超)」という、
「可能性がある (probable)」の解釈は、
必ずしも他の基準には
適用されない。

この probable のほか、
impracticable (実現不可能)などを引き合いに出して、

「日本語訳では原文のニュアンスが伝わらない
から、
やっぱりIFRSは英語で読まないと」

などという話しを聞くことがありますが、
原語のニュアンスを知らない限り、
原文を読んだところで、規定の意図するところはつかめません。
逆に、日本語であっても、
付された定義や説明、注釈の訳を読めば、
理解することは可能です。

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電通国際情報、地域金融機関向けシステム、企業の強み・課題、数値で。─「無形資産」、IFRSでは。(IAS第38号)

IFRS
事業計画や営業・技術力 知的資産など評価

電通国際情報サービス(ISID)は13日、地域金融機関が顧客企業の営業力や技術力などの「知的資産」を把握できる経営診断システムを発売する。事業計画など約100項目について評価を登録すると、財務諸表には表れにくい企業の強みや課題を数値化して示す。金融庁などが地域金融機関に求める経営への助言などに役立つツールとして売り込む。

新サービス「アイシーナビゲータ」は、金融機関内にサーバーを設置して提供する。知的資産のコンサルティング会社、知的資産マネジメント支援機構(東京・千代田、中村博之代表)の協力を得て開発した。事業戦略や外部環境、人材、事業パートナーなど将来のキャッシュフローを生む経営資源を数値やチャートによる「経営診断書」で把握できる。

具体的には、融資担当者が「提供する製品の独創性」や「後継者育成の取り組み」など約100項目への回答を顧客企業の経営者から聞き取る。4段階で評価しパソコンで登録すると「事業領域」「製品・サービス」などの「ビジネス構造」(6項目)と「顧客基盤」「従業員力」などの「知的資産」(9項目)の計15項目について各100点満点で数値評価する。

中小企業への融資を決定する際や経営改善計画の策定を支援する際などに活用できる。09年12月の中小企業金融円滑化法の施行で、融資条件の変更や経営支援の役割を求められるようになった地域金融機関に売り込む。

顧客情報管理(CRM)や融資支援などの業務を提供するISIDの金融機関向けサービスの新製品として売り出す。導入費用は3000万円(税抜き)から。診断する顧客企業の数に応じて料金を加算する。地域金融機関を対象に3年間で30行への納入を目指す。

知的資産 特許やブランドなどの知的財産のほか、人材、技術、組織力、顧客基盤など財務諸表に表れにくい経営資源の総称。

経済産業省が中小企業に対する貸し渋り抑止策として、融資の判断に知的資産をいかに経営に生かしているかを重視するよう金融機関に呼びかけている。金融庁も中小・地域金融機関向け監督指針で同様の方針を示している。

(電通国際情報、地域金融機関向けシステム、企業の強み・課題、数値で。
2010/04/13  日経産業新聞)

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■国際会計基準では

IAS第38号「無形資産 (Intangible Assets)」より、
「無形資産」の説明を引用します。

【原文】karaoke
Intangible assets
9 Entities frequently expend resources, or incur liabilities, on the acquisition, development, maintenance or enhancement of intangible resources such as scientific or technical knowledge, design and implementation of new processes or systems, licences, intellectual property, market knowledge and trademarks (including brand names and publishing titles). Common examples of items encompassed by these broad headings are computer software, patents, copyrights, motion picture films, customer lists, mortgage servicing rights, fishing licences, import quotas, franchises, customer or supplier relationships, customer loyalty, market share and marketing rights.

【訳】
無形資産
第9項 企業は、科学的または技術的な知識、
新しい工程またはシステムの設計および導入、免許、
知的財産、市場知識、および商標(ブランド名および版権を含む)のような、
無形の資源の取得、開発、維持、または強化のために、
資源を費消し、または負債を生じることがしばしばある。
これらの幅広い表題に包含される項目の一般的な例示には、
コンピュータ・ソフトウェア、特許権、著作権、映画フィルム、顧客リスト、
モーゲージ・サービス権、漁業免許、輸入割当額、独占販売権、
顧客または仕入先との関係、カスタマー・ロイヤルティ、市場占有率、
および販売権がある。

■きょうの単語
expend [ikspe'nd] 【他動】 ~を費やす
encompass [enkʌ'mpəs] 【他動】 ~を包み込む、包含する
heading 【名】 表題、見出し
mortgage [mɔ'ːrgiʤ] 【名】 抵当権、担保、貸付金、住宅ローン
quota [kwo'utə] 【名】 分配高、割り当て、定数

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M&Aで取得した「仕掛研究開発費」、IFRSでは。(IAS第38号)

IFRS
被買収企業から取得した「仕掛かり研究開発費」などは一括費用処理が必要だったが、今後は無形資産としての計上が一部認められるエーザイはかつて米バイオベンチャーのMGIファーマを買収した際、仕掛かり研究開発費として874億円を費用計上した。

4月以降のM&Aではこうした費用が縮小しそうだ。「資産化できれば(買収後の負担が減り)M&Aに踏み切りやすくなりそう」(デロイトトーマツコンサルティングの篠原学氏)。企業はM&Aの影響を投資家に一段とわかりやすく開示する必要がある。

主なポイント
○資産・負債を簿価で引き継ぐプーリング法を廃止
○買収に伴う負ののれんは特別利益で一括計上
○買収価値算定は企業結合日の株価を使用
実施時期=09年4月から早期適用可、10年4月から強制適用

(変わる会計変える経営(1)M&A会計――負ののれんで巨額利益も。
2010/03/24  日本経済新聞 朝刊)

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■国際会計基準では

IAS第38号「無形資産 (Intangible Assets)」より、
「仕掛研究開発費」に関する規定を引用します。

【原文】karaoke
Acquisition as part of a business combination
34 In accordance with this Standard and IFRS 3 (as revised in 2008), an acquirer recognises at the acquisition date, separately from goodwill, an intangible asset of the acquiree, irrespective of whether the asset had been recognised by the acquiree before the business combination. This means that the acquirer recognises as an asset separately from goodwill an in-process research and development project of the acquiree if the project meets the definition of an intangible asset. An acquiree’s in-process research and development project meets the definition of an intangible asset when it:
(a) meets the definition of an asset; and
(b) is identifiable, ie is separable or arises from contractual or other legal rights.

【訳】
企業結合の一部としての取得
第34項 本基準およびIFRS第3号「企業結合」(2008年改定)にしたがって、
取得企業は取得日に、被取得企業の無形資産を、
当該資産が企業結合より以前に被取得企業によって
認識されていたか否かに関わりなく、のれんから分離して認識する。

つまり、研究開発のプロジェクトが無形資産の定義を満たすのであれば、
取得企業は、被取得企業の仕掛研究開発費を、
のれんから分離して資産として認識することになる。

被取得企業の仕掛研究開発費は、以下の場合に無形資産の定義を満たす。
(a) 資産の定義を満たし、かつ、
(b) 識別可能である。すなわち、分離可能か、
  または契約その他の法的権利から生じる。

■きょうの単語
irrespective 【形】 ~に関わりない
in-process 【形】 製造過程にある
※ 仕掛品は、work in progress (WIP) です。

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三菱総研、企業の無形資産評価 ─「無形資産の識別可能性」、IFRSでは。(IAS第38号)

IFRS
三菱総合研究所は、顧客企業のブランド、技術力、環境格付けなど無形の資産を数値で評価する新サービスを始めた。財務指標だけでは把握しきれない価値を主に技術的な視点から診断するのが特徴。技術力の評価や、事業投資の判断材料として活用してもらう。@

(三菱総研、企業の無形資産評価(ビジネスダイジェスト)
2010/02/04  日本経済新聞 朝刊)

   +++

■国際会計基準では

コンピュータ・ソフトウェア、特許権、著作権、映画フィルム、顧客リストなど、
無形の財産の取得や開発に要した支出は必ずしも、
財政状態計算書上に資産として計上されているわけではありません。

無形資産として認識するためには、
①識別可能性 (identifiability)
②資源に対する支配 (control over a resource)
③将来の経済的便益の存在 (existence of future economic benefits)
の3つの条件を満たすことが必要です。

IAS第38号「無形資産 (Intangible Assets)」より、
「識別可能性」に関する規定を引用します。

【原文】karaoke
Identifiability
11 The definition of an intangible asset requires an intangible asset to be identifiable to distinguish it from goodwill. Goodwill recognised in a business combination is an asset representing the future economic benefits arising from other assets acquired in a business combination that are not individually identified and separately recognised. The future economic benefits may result from synergy between the identifiable assets acquired or from assets that, individually, do not qualify for recognition in the financial statements.

【訳】
識別可能性
無形資産の定義は、のれんと区別して識別できることを要件としている。

企業結合において認識されたのれんは、
企業結合によって取得した他の資産で、
個別に識別したり、分離して認識したりすることができないようなもの
から生じる将来の経済的便益を表す資産である。

将来の経済的便益は、取得した識別可能な資産の間の相乗効果や、
単独では財務諸表での認識要件を満たさない資産から
生じることもありえる。

【原文】karaoke
Identifiability
12 An asset is identifiable if it either:
(a) is separable, ie is capable of being separated or divided from the entity and sold, transferred, licensed, rented or exchanged, either individually or together with a related contract, identifiable asset or liability, regardless of whether the entity intends to do so; or
(b) arises from contractual or other legal rights, regardless of whether those rights are transferable or separable from the entity or from other rights and obligations.

【訳】
第12項 資産は、以下のいずれかの場合に識別可能であると言える。
(a) 分離可能であること。
 すなわち、企業にその意図があるか否かに関わらず、
 企業、および、個別にまたは関連する契約とともに
 売却・移転・認可・賃貸または交換される
 識別可能な資産または負債から分離または分割することができる。
(b) 契約上の権利その他の法的な権利から生じていること。
 なお、それらの権利が移転可能であるか、または、
 企業や他の債権・債務から分離可能であるかには依らない。

(a) が実質的な要件、(b) が形式的・外形的な要件で、
いずれかを満たせば「識別可能である」と言えます。

■きょうの単語
synergy [si'nəːrʤi] 【名】 相乗効果

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