IAS第19号「従業員給付」

退職給付会計、年金資産配分を開示へ 14年3月期から新基準適用 積み立て不足、即時計上(IAS19号)

IFRS
日本の会計基準づくりを担う企業会計基準委員会(ASBJ)は17日、年金の積み立て不足を貸借対照表(バランスシート)に反映させることを柱とした新しい退職給付会計の基準を正式発表した。2014年3月期の連結決算から適用する。新基準は年金資産の配分など運用状況の詳細な開示も求めており、年金財政の透明性を高める。

年金の積み立て不足は現在、企業が10年程度の期間で毎年分割して費用処理しており、総額は有価証券報告書に注記として開示している。新基準では、これまでと同様の費用処理に加えて、積み立て不足を全額負債に即時に計上し、一方で自己資本を減額して貸借対照表に反映させる。

年金資産の運用状況など有報の注記での開示も充実させる。年金資産をどう運用しているのか配分の内訳の開示を求める。年金資産を債券や株式、その他の資産にそれぞれ何%配分しているか、どのくらいの額を投資しているかなどが明らかになる見通しだ。

また期の初めと期末の年金資産や、企業が積み立てておくべき退職給付債務の増減の状況や損益などをそれぞれ記載する。企業が期中に年金資産として拠出した額や、退職したOBら受給者に支払った額なども注記に載せる。毎期の年金財政の変動を外部から把握しやすくなる。

米国会計基準では既に積み立て不足を貸借対照表に反映させることを義務付けており、年金財政に関するきめ細かな開示ルールも導入済み。今回の改正で日本の会計基準も足並みがそろう。積み立て不足の大きい企業にとっては年金財政の改善が財務安定に欠かせない課題となっており、開示の充実が企業の対応に結びつく可能性がある。

1年遅れで15年3月期からは退職給付債務の計算手法も精緻にする。給付債務の算出に使う割引率を従業員の勤める期間などに応じてきめ細かく計算して算出する。

(退職給付会計、年金資産配分を開示へ 14年3月期から新基準適用 
積み立て不足、即時計上 2012/5/18付 情報元 日本経済新聞 朝刊)

   +++

■国際会計基準では

現行IAS19号「従業員給付 (Employee Benefits)」
「退職後給付─確定給付制度 (Post-employment benefits: defined benefit plans)」より、
「財政状態計算書に計上される確定給付制度負債の認識及び測定」
に関する規定を引用します。

【原文】karaoke
Statement of financial position
54 The amount recognised as a defined benefit liability shall be the net total of the following amounts:
(a) the present value of the defined benefit obligation at the end of the
reporting period (see paragraph 64);
(b) plus any actuarial gains (less any actuarial losses) not recognised because of the treatment set out in paragraphs 92 and 93;
(c) minus any past service cost not yet recognised (see paragraph 96);
(d) minus the fair value at the end of the reporting period of plan assets (if any) out of which the obligations are to be settled directly (see paragraphs 102–104).

【訳】
財政状態計算書
第54項 確定給付制度負債として認識される金額は、
以下の金額の差引合計額としなければならない。
(a) 報告期間の末日における確定給付債務の現在価値(第64項参照)に、
(b) 第92項および第93項に規定された取扱いによって未認識の
 数理計算上の差益があればそれを加算し
 (数理計算上の差損があればそれを減算し)、
(c) 未認識の過去勤務費用(第96項参照)があればそれを減算し、
(d) 当該債務が直接決済されるべき制度資産があれば、
 その報告期間の末日における公正価値(第102-104項参照)を減算する。

■きょうの単語
liability [la`iəbi'ləti] 【名】 負債
obligation [ɑ`blige'iʃn] 【名】 債務

※ "defined benefit obligation (DBO)"は、「企業年金」の従業員に対する債務、
 "defined benefit liability"は、DBOに上記(b)(c)(d)を加減した結果として、
 「企業」の財政状態計算書に表示される負債を表しています。

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与謝野馨 ホワイトデー 舛添要一

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パイオニア、年金制度を改定 積み立て不足圧縮(IAS19号)

IFRS
パイオニアは2012年3月期に国内従業員を対象とした年金制度を改定する方針だ。現在の適格退職年金制度から、確定給付型と確定拠出型(日本版401k)を組み合わせた制度に変更する。適格年金制度が12年3月末に廃止されるため。年金の積み立て不足を圧縮する狙いもある。

国内の本体の現役正社員(海外出向も含む)約5000人が対象で、確定給付型と確定拠出型の比重など制度設計の詳細を詰めている。従業員が将来受け取る年金額が運用成績に応じて変動する確定拠出型を一部導入する。

同社の年金の積み立て不足(国内制度)は10年3月期末で310億円で、連結純資産(906億円)に対する比率は34%。国内の会計基準を国際会計基準にそろえると、年金の積み立て不足を貸借対照表に一括計上する可能性がある。このため将来にわたって年金債務が膨張するのを抑える狙いもある。

(パイオニア、年金制度を改定 積み立て不足圧縮
2011/03/08 日本経済新聞 朝刊

   +++

■国際会計基準では

「確定給付制度(IAS第19号改定案)
(Defined Benefit Plans: Proposed amendments to IAS 19)」(2010年4月)
より、
「確定拠出年金」の定義を引用します。

【原文】karaoke
Definitions relating to classification of long-term employee
benefit plans

Defined contribution plans are long-term employee
benefit plans under which an entity pays fixed contributions into a
separate entity (a fund) and will have no legal or constructive obligation to pay further contributions if the fund does not hold sufficient assets to pay all employee benefits relating to employee service in the current and prior periods.

【訳】
長期従業員給付制度の分類に関連する定義

「確定拠出制度」とは、分離された組織体(すなわち基金)に対して
企業が固定の拠出額を支払い、
現在および過去の期間における役務提供に対する
従業員給付を支払うための十分な資産を基金が保有しない場合にも、
それ以上の拠出額を支払う法的または推定的債務を企業が負うことがない
ような長期従業員給付制度である。

■きょうの単語
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年金会計

IFRS
国際会計基準(IFRS)が日本の産業界や資本市場を揺さぶっている。IFRSの導入や共通化に対して日本はどう向き合うべきか。主要な論点を識者に聞く。1回目は年金会計。

単独は激変緩和策を検討 西川郁生氏(企業会計基準委員会委員長)

――企業会計基準委員会は日本基準とIFRSの共通化を進めるため、年金会計を見直す公開草案を出している。

「現在は年金の積み立て過不足を段階的に財務諸表に反映しているが、即時に貸借対照表に反映するよう変更する。企業が健全な財務体質を保つためには、積み立て過不足を注記にとどめる現行基準は十分でない」

「企業にとってつらい気持ちは理解するが、財務諸表の利用者である投資家にとっては、一気に積み立て過不足が計上された方が親切。今は積み立て不足が発生しやすい経済情勢だからこそ、即時認識が必要だ」

――会計ルールが企業に年金制度の変更を促しているとの指摘がある。

「確定給付型から確定拠出型に変える企業が増えるだろう。会計が企業の経営を変える決断を迫っていいのかという意見はある。ただ会計は、企業が負っているリスクをきちんと表現できるようにしなければならない」

――単独財務諸表に積み立て不足を反映すると、一部の企業は経営への影響が大きいと懸念している。

「連結と単独で処理を変える必然性はない。だが借入金や社債の条件を定める財務制限条項などに影響が大きいというのであれば、制度変更に伴う激変緩和措置を検討する必要があるのかもしれない」

配当や銀行取引に影響も 佐藤行弘氏(三菱電機常任顧問)

――年金会計の変更は企業経営にどう影響するか。

「見直しは2段階ある。第1段階は貸借対照表に積み立て不足を即時反映する内容。個人的にはこの案に反対しないが、積み立て不足が大きく自己資本(純資産)の薄い企業では様々な影響が出かねない」

――単独財務諸表がなぜ問題になるのか。

「積み立て不足の一括計上で単独の純資産が大きく減った場合、会社法が単独で定める配当可能額に影響する可能性がある」

「信用力の低い企業では、銀行からの借り入れや社債償還の条件を定める財務制限条項に抵触する懸念もある。一定の純資産を保つ条件が入っている場合、増資などの対応や金融機関との交渉を迫られるケースもありうる。海外子会社から配当を吸い上げ、親会社の利益剰余金を増やす企業も出てくるだろう」

――第2段階は近くIFRSの基準が公表される予定。問題点は何か。

「現行案では、運用などで発生した積み立て不足は貸借対照表で即時認識した後は、費用計上が認められない可能性がある。製造業にとってはコスト管理上、影響が大きい。年金費用は人件費と同じ側面がある。コストとして価格に転嫁する道が閉ざされると原価計算に影響が出る。第2段階には断固反対だ」

(IFRSと日本 論点を聞く(1) 年金会計 2011/2/2 12:29 日本経済新聞 朝刊

   +++

■国際会計基準では

「寸評─確定給付制度(IAS第19号改定案)
(Snapshot: Defined Benefit Plans: Proposed amendments to IAS 19)」
(2010年4月)
より、「制度資産の収益」の定義を引用します。

【原文】karaoke
What is the IASB proposing?

1. Immediate recognition of defined employee benefit cost
The IASB proposal
The IASB proposes to remove from IAS 19 options that allow a company not to recognise some gains and losses that arise when the company changes its estimate of a defined benefit obligation, or when there are changes in the fair value of its plan assets. Instead, the ED proposes that companies should recognise these items immediately.
The response to the IASB’s 2008 discussion paper indicated general support for immediate recognition.

2. Presentation
The IASB proposal
The ED proposes a new presentation approach that will improve the visibility of the different types of gains and losses arising from defined benefit plans.
Specifically, the ED proposes that
companies should present:
• service cost – in profit or loss.
• finance cost – as part of finance
costs in profit or loss.
• remeasurement – in other comprehensive income.

The proposal complements more general improvements that the IASB
will propose in its forthcoming exposure draft on the presentation of
items of other comprehensive income, expected in May 2010.

【訳】
IASBの提案

1. 確定給付費用の即時認識

IASB案
IASBは、会社が確定給付債務の見積りを変更したとき、または、
制度資産の公正価値に変動があったときに生じる損益の一部を
会社が認識しないことを許容する選択肢を
IAS第19号から削除することを提案している。
IASBのディスカッション・ペーパー(2008年)への回答は全般に、
即時認識の支持を示唆するものであった。

2. 表示

IASB案
公開草案は、確定給付年金から生じるタイプの異なる損益が
明確になるよう改善した、新しい表示方法を提案している。

特に、公開草案は、企業が以下のように表示するよう提案している。
・勤務費用─純損益の中で
・財務費用─純損益の財務費用の一部として
・再測定額─その他の包括利益の中で

この提案は、その他の包括利益項目の表示に関して近日公開予定の
公開草案(2010年5月予定)の中でIASBが提案する、
より全般的な改善案を補完するものである。

■きょうの単語
visibility [vi`zəbi'ləti] 【名】 目に見える度合い、視認性
complement [kɑ'mpləme`nt ] 【他動】 ~を完全にする、補完する

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企業年金利回り、2期連続プラス(IAS19号)

IFRS
格付投資情報センター(R&I)の調査によると、2010年10~12月の企業年金の運用利回りはプラス1.9%だった。国内外の株価上昇が寄与し、2四半期連続でプラスを確保した。

約130の企業年金(資産規模10兆円)を対象に、10~11月の実績と12月の推計値から算出した。国内債券は9月末に比べて価格が下落(金利は上昇)し、運用の足を引っ張ったが、年金資産の4割弱を占める株式が回復。昨年末までの3カ月で日経平均株価は9%、米ダウ工業株30種平均は7%それぞれ上昇した。

10年4~12月の9カ月累計でみると、利回りはマイナス1.9%(前年同期はプラス11.3%)だった。年度前半の国内株の低迷や、円高による外貨資産の目減りが響いた。11年1~3月に好転しないと、企業の積み立て不足が増加する懸念がある。

一方、米コンサルティング会社のタワーズワトソンの推定値では、10~12月の企業年金の運用利回りはプラス1.6%だった。

(企業年金利回り、2期連続プラス 10~12月、内外の株価上昇寄与 R&I調べ
2011/1/5付 日本経済新聞 朝刊)

   +++

■国際会計基準では

公開草案「確定給付制度 IAS第19号の修正提案
(Defi ned Benefit Plans - Proposed amendments to IAS 19)」

(2010年4月)(日本語訳)より引用します。

【原文】karaoke
Recognition: statement of comprehensive income
61 An entity shall recognise changes in the net defined benefit liability (asset) in the statement of comprehensive income, except to the extent that another Standard requires or permits their inclusion in the cost of an asset.

【訳】
認識:包括利益計算書
61 企業は、確定給付負債(資産)の純額の変動を
包括利益計算書に認識しなければならない。
ただし、他の基準が当該給付を資産の原価に含めることを
要求又は許容している範囲を除く。

■きょうの単語
inclusion [inklu'ːʒən] 【名】 含めること

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与謝野馨 ホワイトデー 舛添要一

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ノーワーク・ノーペイ(IAS19号)

IFRS
(昨年9月の記事より)
敬老の日の20日、秋分の日の23日と休日が多い1週間となる。夏の暑さで疲れた身体を癒やすには貴重な休みだ。しかし、両日とも会社が休みでなくとも法律違反ではない。カレンダーどおりに休ませる定めは労働法にないからだ。

社員を休ませる制度は、「休日」と「休暇・休業」に分類できる。前者は社員の意思に関係なく休ませなくてはならず、後者は社員から申請があれば休ませるものだ。いずれも、労働法に定めがあるもの(法定)と、各社独自のもの(法定外)に分類できる。前者には労働法の規制があるが、後者は各社が任意に設定することが可能だ。

「法定休日」は、原則、毎週1日付与しなくてはならない(週休制の原則)。カレンダーどおりに土日祝日を休日とする企業も多いが、これは週1日の法定休日に加え、週1日と祝日の法定外休日を設定しているのだ。週休制の例外として、4週間に4日の法定休日を設定することも認められている。さらに三六協定を締結して割増賃金を支給すれば、法定休日に労働させることもできる。ただ、労働日の連続は社員の健康を損なう恐れがあるため、極力避けるのが望ましい。

「振替休日(振休)」と「代替休日(代休)」の違いも知っておきたい。いずれも法定休日としている日に労働させ、その分を他の日に休ませることだ。違いは、事前に他の日を特定しておく(振り替える)か否かだ。あらかじめ休日を振り替えるのが振休、しないのが代休である。

代休には割増賃金が発生する。振休では休日を他の日に振り替えるため、出勤日が休日ではなくなり割増賃金は不要となるが、代休は出勤日が休日のままのため、割増賃金が発生する。ところが、事前に振り替えずに「スケジュールに余裕が出たら休ませる」という代休的な運用をしながら、振休と称して割増賃金を払わないケースが多い。これは法に反する。割増賃金を払うか、事前に休日を振り替える運用を徹底しなくてはいけない。

「法定休暇・休業」には、就業期間と出勤率に応じて付与される「法定有給休暇」のほか、「生理休暇」「育児休業」などがある。

企業によってはこれらに加え、「法定外休暇」などを付与することがある。代表的ものは、有給休暇日数の上乗せ、結婚や身内の不幸があったときに取得できる「慶弔休暇」、業務外のケガや病気による長期の休みを認める「私傷病休職」だ。

「私傷病休職」は、他の制度と異なり、退職猶予措置の意味を持つ。休みが長期化すると退職を余儀なくされるが、この制度により一定の猶予期間ができる。しかし最近は、メンタルの不調で取得する社員が増え、長期化する傾向がある。このため、必要以上の期間や要件を見直す企業が増えている。

休んだ日の賃金は、有給休暇を除き原則不要だ。賃金は実際の労働に対して支給されるものだからだ(ノーワーク・ノーペイの原則)。短期間の法定外休暇などでは支給する企業も多いが、あくまでも任意だ。

なお、2015年前後に上場企業で導入が義務付けられる可能性があるIFRS(国際会計基準)では、有給休暇を引当金計上するルールが示されている。有給休暇の取得率が低い企業は、この額が膨らむ可能性がある。

いずれにせよ有給休暇の取得率が低いことは望ましくはない。これを機に会社を挙げて向上に取り組むことをお勧めしたい。

(大和総研コンサルタント/社会保険労務士 広川明子)

(労務のいまAtoZ(6)連休でも休みなし?――週1休み、土日に限らず。
2010/09/22  日経産業新聞)

   +++

■国際会計基準では
IAS19号「従業員給付」には、
約1ページ、11項-16項までの6項にわたって、
「短期有給休暇」 (Short-term compensated absences)
の規定があります。

【原文】bell
11 An entity shall recognise the expected cost of short-term employee benefits in the form of compensated absences under paragraph 10 as follows:
(a) in the case of accumulating compensated absences, when the employees render service that increases their entitlement to future compensated absences; and
(b) in the case of non-accumulating compensated absences, when the absences occur.

【試訳】 
11. 会社は、10項にしたがって、予想される短期従業員給付の費用を有給休暇として認識しなければならない。
(a) 累積型の場合
将来付与される有給休暇の権利を増加させる勤務を従業員が提供した時点で認識する。
(b) 非累積型の場合
休暇を取得した時点で認識する。

※使い切らずに残った有給休暇を翌期以降に繰り越せるのが(a)累積型、
そうでないものが(b)非累積型です。


■日本企業への影響

労働基準法は、115条(時効)で、
「労働者の年次有給休暇の請求権は、2年で時効にかかる」
と定めており、翌年度まで繰り越すことが可能ですから、
日本企業の有給休暇は、(a) 累積型に該当します。

したがって、決算時には、
翌期に取得が見込まれる有給休暇分の費用を計上する
(引当金を積む)ことが求められます。

非正規社員に付与する分も含め、
来期の消化率を見積もる必要が出てくるわけです。


■今日の一語
recognize: (収益・費用を)認識する、計上する

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年金や開発費の調整難航 「単体」の扱い焦点に(IAS19号)

IFRS
昨日の記事よりつづく)
議論は今年3月に草案を公表済みの年金の会計基準でも続く。
草案は現行の米国会計基準に近く、年金の積み立て不足を貸借対照表に即時反映させる。12年3月期以降、連単で同じ処理をする内容だが、税法や配当に関わる単体の純資産の目減りを警戒する企業から「連単の扱いを分けてほしい」との声が上がる。

単体の純資産が大きく減ると(1)銀行からの借り入れや社債償還の条件を定めた財務制限条項(コベナンツ)に抵触する(2)会社法が定めた配当できる金額(分配可能額)に影響が及ぶ――といった影響がありうる。積み立て不足が大きければ「自己資本の増強など対応を迫られる企業が出る可能性もある」(野村証券)。

半面、処理を統一したい企業からは「連単で分けるべきではない」との声も上がり、議論は膠着状態だ。

開発費や年金の基準の決着次第では、会社法の分配可能額などの規定の見直し議論にも発展しそうだ。法務省民事局の河合芳光参事官は「まず基準の方向性が決まることが第一。基準のメドが立たないので分配規制を見直す時期も明確ではない」と指摘している。

((会計基準 揺れる共通化)(上)年金や開発費の調整難航 「単体」の扱い焦点に
2010/12/23付 日本経済新聞 朝刊)

   +++

■国際会計基準では

公開草案「確定給付制度 IAS第19号の修正提案
(Defi ned Benefit Plans - Proposed amendments to IAS 19)」

(2010年4月)(日本語訳)より引用します。

【原文】karaoke
Recognition: statement of comprehensive income
61 An entity shall recognise changes in the net defined benefit liability (asset) in the statement of comprehensive income, except to the extent that another Standard requires or permits their inclusion in the cost of an asset.

【訳】
認識:包括利益計算書
61 企業は、確定給付負債(資産)の純額の変動を
包括利益計算書に認識しなければならない。
ただし、他の基準が当該給付を資産の原価に含めることを
要求又は許容している範囲を除く。

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年金制度変更で特損相次ぐ サンエーイン、今期最終60億円赤字 ニチレイ、今期純利益は一転減益に(IAS19号)

IFRS
サンエー・インターナショナルは21日、2011年8月期の連結最終損益が60億円の赤字(前期は14億円の赤字)になりそうだと発表した。従来予想は7億円の赤字。厚生年金基金の脱退に伴う特別掛け金のほか、東京スタイルとの経営統合に絡む諸費用など53億円の特別損失を計上する。

同社や一部子会社が加入する大阪織物商厚生年金基金を来年3月までに脱退する方針を決定。これに絡み脱退特別掛け金50億円が発生する。

来年6月に予定する東スタイルとの経営統合をにらんで財務の健全化を進める狙いとみられる。このほか、経営統合に関連した費用3億円などを特損として計上する。

売上高は前期比4%増の1045億円、営業利益は57%増の13億円を見込む。足元の販売動向が計画通りに推移しているため従来予想を据え置いた。

ニチレイは21日、2011年3月期の連結純利益が前期比30%減の63億円になる見通しと発表した。従来予想は微増の91億円だったが、一転減益となる。年金制度の変更に伴い、特別損失を68億円計上するためだ。

確定給付型の企業年金を終了して、その分を確定拠出型年金に切り替えることで、未認識債務を一括償却する。退職金制度も変え、引き当てを行う。

一方で、ニチレイが保有する土地に東京都が道路や下水道を設置するため、区分地上権を設定。この補償金として30億円を都から受け取り、特別利益を計上する。税金費用の減少もあり、前期に比べた純利益の減少額は差し引きで28億円となる見込み。

売上高は1%減の4352億円、経常利益の4%増の160億円を見込み、これまでの見通しを変えなかった。

(年金制度変更で特損相次ぐ
サンエーイン、今期最終60億円赤字 ニチレイ、今期純利益は一転減益に
2010/12/22  日本経済新聞 朝刊)

   +++

■国際会計基準では

公開草案「確定給付制度 IAS第19号の修正提案
(Defi ned Benefit Plans - Proposed amendments to IAS 19)」

(2010年4月)(日本語訳)より引用します。

【原文】karaoke
Recognition: statement of comprehensive income
61 An entity shall recognise changes in the net defined benefit liability (asset) in the statement of comprehensive income, except to the extent that another Standard requires or permits their inclusion in the cost of an asset.

【訳】
認識:包括利益計算書
61 企業は、確定給付負債(資産)の純額の変動を
包括利益計算書に認識しなければならない。
ただし、他の基準が当該給付を資産の原価に含めることを
要求又は許容している範囲を除く。

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マツキヨHD、確定拠出型年金を導入 11年2月 (IAS19号)

IFRS
マツモトキヨシホールディングスは17日、2011年2月から確定拠出年金制度を導入すると発表した。退職給付債務・費用を削減し、運用成績の変動に伴う業績への影響を抑えるのが狙い。従来の確定給付型の企業年金基金は解散を予定している。一部子会社で導入した適格退職年金制度も廃止し、ともに確定拠出年金に移行する。

(マツキヨHD、確定拠出型年金を導入 11年2月
2010/12/17 23:22 日本経済新聞 電子版

   +++

■国際会計基準では

「確定給付制度(IAS第19号改定案)
(Defined Benefit Plans: Proposed amendments to IAS 19)」(2010年4月)
より、
「確定拠出年金」の定義を引用します。

【原文】karaoke
Definitions relating to classification of long-term employee
benefit plans

Defined contribution plans are long-term employee
benefit plans under which an entity pays fixed contributions into a
separate entity (a fund) and will have no legal or constructive obligation to pay further contributions if the fund does not hold sufficient assets to pay all employee benefits relating to employee service in the current and prior periods.

【訳】
長期従業員給付制度の分類に関連する定義

「確定拠出制度」とは、分離された組織体(すなわち基金)に対して
企業が固定の拠出額を支払い、
現在および過去の期間における役務提供に対する
従業員給付を支払うための十分な資産を基金が保有しない場合にも、
それ以上の拠出額を支払う法的または推定的債務を企業が負うことがない
ような長期従業員給付制度である。

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年金会計「共通化」、年内見送り 会計基準委 (IAS19号)

IFRS
日本の会計基準作りを担う企業会計基準委員会は、年金会計などについて、日本基準と国際会計基準(IFRS)との共通化作業を年明け以降に先送りする方針だ。IFRSを作る国際会計基準審議会(IASB)での議論が遅れており、日本での作業も影響を受ける。会社法などとの調整が必要とされる単体財務諸表を巡る議論が決着していないことも背景にある。

会計基準委は今春、年金の積み立て不足を貸借対照表に一括計上する基準案を公表。12月中の最終決定を目指していた。実現すれば、年金会計の当初予定部分についてはIFRSとの共通化作業が終わる予定だった。

しかしIASBが11月末、一部会計基準の見直し作業を先送りする計画を明らかにした。この結果、日本での最終決定も2011年1~3月期にずれ込む見通しだ。

開発費の一部を資産に計上する「無形資産」の基準や、のれん代を償却せずに毎期減損が必要かどうかチェックする「企業結合」の基準についても、年内に予定していた公開草案の公表が年明けにずれ込む見通し。ただし最終基準化のめどは11年4~6月期との従来計画を据え置く。

日本の会計基準委とIASBは11年6月をめどに主な会計基準の差異をなくすことで合意し、作業を進めている。

(年金会計「共通化」、年内見送り 会計基準委
2010/12/11付 日本経済新聞 朝刊

   +++

■国際会計基準では

公開草案 ED/2010/3「確定給付制度(IAS第19号の修正提案)
Defined Benefi t Plans (Proposed amendments to IAS 19)」
(2010年4月)
日本語訳)より引用します。

【原文】karaoke
Presentation
Statement of comprehensive income
119A An entity shall present:
(a) service cost (see paragraphs 63–91 and 96A–98) and gains and losses arising from curtailments (see paragraph 98A) in profit or loss.
(b) net interest on the net defined benefit liability (asset) as part of
finance costs in profit or loss (see paragraphs 119B and 119C).
(c) remeasurements of the net defined benefit liability (asset) in other
comprehensive income (see paragraphs 115A–115K, 119C and 119D).
Those remeasurements shall be transferred immediately to retained
earnings. They shall not be reclassified to profit or loss in a
subsequent period.

【訳】
表 示
包括利益計算書
119A 企業は、次のように表示しなければならない。
(a) 勤務費用(第63項から第91項及び第96A 項から第98項参照)及び縮小により生じる利得又は損失(第98A 項参照)を、純損益に。
(b) 確定給付負債(資産)の純額に係る利息の純額を、財務費用の一部として純損益に(第119B 項及び第119C 項参照)。
(c) 確定給付負債(資産)の純額の再測定を、その他の包括利益に(第115A 項から第115K 項、第119C 項及び第119D 項参照)。それらの再測定は、利益剰余金に直ちに振り替えなければならない。それらをその後の期間において純損益に振り替えてはならない。

■きょうの単語
liability [la`iəbi'ləti] 【名】 負債
obligation [ɑ`blige'iʃn] 【名】 債務

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与謝野馨 ホワイトデー 舛添要一

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働く環境、有給休暇の取りやすさを重視(IAS第19号)

IFRS
灰色の紳士たちが、人間から「時間」を盗み取っていく。不機嫌、憂うつ、イライラ……。お金は稼ぎ、生活は裕福になっていくのに、どんどん荒廃していく人々の心。皆の盗まれた時間を取り戻そうと、少女が時間泥棒に立ち向かう。

ドイツの作家、ミヒャエル・エンデの名作「モモ」。働くことの意味、人生のあり方を考えさせる童話だ。時間は人間に与えられた財産。大切な時間を守り、どう使っていくかは結局、自分で決めていくしかない。「時間がない」と嘆き、不機嫌でせかせかと暮らす人々が多いのは、いまの日本社会の姿でもある。

厚生労働省によると、サラリーマンが昨年、取得した年次有給休暇は半分以下100%が当たり前の欧州に比べ格段に低い。ある民間の調査では、働く男女の4人に1人がお金を払っても増やしたいものに「平日の睡眠時間」を挙げた。ワークライフバランス(仕事と生活の調和)が大きな課題になるゆえんか。

東レ経営研究所特別顧問の佐々木常夫さんも、その伝道師のひとりだ。「長時間仕事をすることで自分の幸福を放棄している」。先週、本紙夕刊の「人間発見」に登場した佐々木さんの言葉は耳が痛い。きょうは勤労感謝の日。人生の目標はなにか、自分にとって何が大事なのかを振り返ってみるのも悪くはない。

(2010/11/23付 日本経済新聞 朝刊)

   +++

働きやすい会社調査と同時に実施したビジネスパーソン調査では、働く人たちに「働きやすい会社」の条件を聞いた。

どんな制度や取り組みを重視するか尋ねたところ、「非常に重視している」との回答が最も多かったのは「年次有給休暇の取りやすさ」(48.5%)。「実労働時間の適正さ」(35.6%)がこれに続いた。

実際の職場では休みを取れず、長時間労働を強いられているビジネスパーソンが依然として多いようだ。

厚生労働省の就労条件総合調査によると、2009年の労働者1人当たりの年次有給休暇の取得率は47.4%だった。前年から0.7ポイント上昇したものの、01年以降5割を下回る低水準が続いている。

特にサービスや小売りなど非製造業で取得率の低い業種が目立つ。交代要員の確保など、柔軟に休みが取れる仕組み作りが求められる。

重視する項目の3位は「社員の定着率」、4位は「人事考課の結果伝達の有無」。そのほかセクハラ・パワハラ対策や喫煙問題に対する取り組みを重視する声も多かった。

(働く環境、有給休暇の取りやすさを重視 2010/9/20付 日本経済新聞 朝刊 )

   +++

■国際会計基準では
IAS19号「従業員給付」には、
約1ページ、11項-16項までの6項にわたって、
「短期有給休暇」 (Short-term compensated absences)
の規定があります。

【原文】bell
11 An entity shall recognise the expected cost of short-term employee benefits in the form of compensated absences under paragraph 10 as follows:
(a) in the case of accumulating compensated absences, when the employees render service that increases their entitlement to future compensated absences; and
(b) in the case of non-accumulating compensated absences, when the absences occur.

【試訳】 
11. 会社は、10項にしたがって、予想される短期従業員給付の費用を有給休暇として認識しなければならない。
(a) 累積型の場合
将来付与される有給休暇の権利を増加させる勤務を従業員が提供した時点で認識する。
(b) 非累積型の場合
休暇を取得した時点で認識する。

※使い切らずに残った有給休暇を翌期以降に繰り越せるのが(a)累積型、
そうでないものが(b)非累積型です。


■日本企業への影響

労働基準法は、115条(時効)で、
「労働者の年次有給休暇の請求権は、2年で時効にかかる」
と定めており、翌年度まで繰り越すことが可能ですから、
日本企業の有給休暇は、(a) 累積型に該当します。

したがって、決算時には、
翌期に取得が見込まれる有給休暇分の費用を計上する
(引当金を積む)ことが求められます。

非正規社員に付与する分も含め、
来期の消化率を見積もる必要が出てくるわけです。


■今日の一語
recognize: (収益・費用を)認識する、計上する

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