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「重厚長大」企業、減価償却の負担軽減(IAS16号)

IFRS
鉄鋼や製紙、化学といった重厚長大型の製造業を中心に、2013年3月期以降に減価償却費用が大幅に減るところが相次ぐ見通しだ。これらの業種には、07年度の税制改正に伴って5年間限定で減価償却の対象資産が一時的に増えていた企業が多い。負担軽減効果が100億円を上回るところもあり、来期以降の企業収益の一定の押し上げ要因になりそうだ。

「今期(12年3月期)の営業利益見通しは400億円しかない。年300億~400億円の費用がなくなるのは非常にインパクトが大きい」(JFEホールディングス)。JFEでは来期、減価償却費の軽減効果で300億~400億円の利益押し上げを見込む。鉄鋼大手ではこのほか新日本製鉄や神戸製鋼所でも100億~300億円規模、石油大手では出光興産で100億円程度、それぞれ利益押し上げ効果が出る見通しだ。

背景にあるのは07年度の税制改正だ。企業は工場などの固定資産を取得する際、投じた資金を何年かにわたって費用として計上し帳簿上の価値を減額していく。この 減価償却はかつて取得価格の95%までしか損金算入が認められていなかった

だが 07年度の税制改正で、07年3月以前に取得した固定資産で償却が95%まで終了したものでも備忘価格(1円)まで5年間をかけて均等償却 することが認められた。償却分は税法上の損金として認められるため税制面でのメリットがあった。

ただ、残り5%分とはいえ、製鉄所や製油所のように建設に数千億円かかる巨大設備をいくつも抱える重厚長大型の製造業には大きな額。追加の減価償却は資金の流出は伴わないものの、会計上はコストの増加要因で、これらの業種では過去5年間、利益の押し下げ要因になっていた。12年3月期はこの均等償却の最後の年に当たり、来期からはこうした一時要因がなくなることになる。

王子製紙も来期の負担軽減が50億円強に上りそう。海外M&A(合併・買収)の加速が減価償却費の増加要因となるが、来期は負担軽減効果の方が大きく、3期ぶりに営業増益を見込めるとの市場の見方もある。日本製紙グループ本社も来期は80億~90億円程度の押し上げ効果を見込む。同社は生産設備の減損損失を計上ずみで、償却負担の軽減額はさらに増える可能性もある。

もっとも、過去数年間で活発な設備投資をしていた場合はそのぶん償却費用がかさみ、減価償却費の総額では今期より増える例もある。積極戦略を取ってきた企業ほど、減価償却費の軽減効果は限定的となりそうだ。

(「重厚長大」企業、減価償却の負担軽減
税制改正の影響なくなる 来期以降、収益押し上げ要因に
2012/3/24付 日本経済新聞 朝刊)

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■国際会計基準では

IAS第16号「有形固定資産 (Property, Plant and Equipment)」より、
「開示」に関する規定を引用します。

【原文】karaoke
Definitions
6 The following terms are used in this Standard with the meanings specified:

Depreciable amount is the cost of an asset, or other amount substituted for cost, less its residual value.

The residual value of an asset is the estimated amount that an entity would currently obtain from disposal of the asset, after deducting the estimated costs of disposal, if the asset were already of the age and in the condition expected at the end of its useful life.

【訳】
定義
第6項 以下の用語は本基準において、次の意味で用いられる。

償却可能額とは、資産の取得価額または取得価額に代わるその他の金額から残存価額を控除した額をいう。

資産の残存価額とは、当該資産がすでに一定の年数を経過して耐用年数経過時点で見込まれる状態にあると仮定したときに、企業が資産の除却から得られるであろう見積もり額から除却費用の見積もり額を控除した額をいう。

■きょうの単語
residual [rizi'ʤuəl] 【形】 残りの、残余の

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