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アスクル、6~2月純利益55%減 在庫評価損など響く(IAS2号)

IFRS
アスクルが24日発表した2010年6月~11年2月期連結決算は純利益が前年同期比55%減の11億円だった。主力のオフィス向け通信販売が復調し増収だったが、在庫評価損や個人向け通販事業の採算改善の遅れが響いた。資産除去債務関連の特別損失も利益を押し下げた。

売上高は4%増の1451億円。オフィス通販は事務用品や家具の販売が復調、購入単価も底入れした。昨年秋に子会社化した企業向け資材購買代行会社も寄与した。一方、滞留在庫が膨らんだマスクの在庫評価損などが響き、営業利益は19%減の40億円だった。

同日、東日本大震災による営業活動への影響を見極めたいとして11年5月期通期業績の会社予想を未定に変更した。在庫の廃棄損や設備の修繕費などの損害額を精査したうえで改めて開示する方針。

(アスクル、6~2月純利益55%減 在庫評価損など響く
2011/03/25  日本経済新聞 朝刊)

   +++

■国際会計基準では

棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額の
いずれか低い方の金額で評価され(低価法)、
正味実現価額が取得原価を下回った場合、
帳簿価額は正味実現可能価額まで切り下げられ、
評価損が計上されます。

IAS第2号「棚卸資産 (Inventories)」より、
「正味実現可能価額」と「公正価値」の違いに関する規定を引用します。

【原文】karaoke
Definitions
6 The following terms are used in this Standard with the meanings specified:

Net realisable value is the estimated selling price in the ordinary course of business less the estimated costs of completion and the estimated costs necessary to make the sale.

Fair value is the amount for which an asset could be exchanged, or a liability settled, between knowledgeable, willing parties in an arm’s length transaction.

【訳】
定義
第6項 次の用語はこの基準において、以下に特定する意味で用いられる。

「正味実現可能価額」とは、
通常の営業過程における見積売価から、
完成に要する見積コストと販売に必要な見積コストを控除した金額をいう。

「公正価値」とは、取引の知識がある自発的な第三者の間において、
資産が交換され、または負債が決済される金額をいう。

【原文】karaoke
7 Net realisable value refers to the net amount that an entity expects to realise from the sale of inventory in the ordinary course of business. Fair value reflects the amount for which the same inventory could be exchanged between knowledgeable and willing buyers and sellers in the marketplace. The former is an entity-specific value; the latter is not. Net realisable value for inventories may not equal fair value less costs to sell.

【訳】
第7項 正味実現可能価額は、通常の営業過程において
企業が棚卸資産の販売から実現することが見込まれる
正味の金額にあたる

一方、公正価値は、同じ棚卸資産が市場において、
取引の知識がある自発的な買い手と売り手の間で交換される
金額を反映するものである。

前者の正味実現価額は企業固有の金額であるのに対し、
後者の公正価値はそうではない。
したがって、棚卸資産の正味実現可能価額は、
公正価値から販売費用を控除した金額と一致しないことがある。

※ 「正味実現可能価額」は、
 その棚卸資産を製造・販売する企業が持つ、
 顧客関係や販売チャネル、営業ノウハウを
 フル活用することを前提としたものであるため、
 「公正価値」(土地の場合であれば公示地価等)から
 販売費用を控除した金額より高くなる可能性があります。

 IFRSの特徴の一つとして、
「公正価値による評価」が挙げられることがありますが、
 棚卸資産に関しては、厳密に言うと、
「正味実現可能価額による評価」となります。

■きょうの単語
(米)realize (英)realise [ri'ːəla`iz] 【他動】 実現する
knowledgeable 【形】 博識な、知識豊富な、精通している

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