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(IFRS 視点・論点)企業間で姿勢分かれる 基準の共通化自体は必要 全米財務担当役員協会会長 マリー・ホライン氏

IFRS
国際会計基準(IFRS)を巡り、米国の動向が注目されている。米国は今年、IFRSを2015年をめどに導入するかどうかを判断するためだ。米国での議論の現状や課題などを、米主要企業の財務担当者で構成する全米財務担当役員協会(FEI)のマリー・ホライン会長に聞いた。

――米国企業のIFRSに対する姿勢は。

「早期適用の選択肢が米国にない現状では、グローバル企業の間ではIFRSの全面導入を支持する声が多い。一方、中小企業にとっては影響は極めて大きく、運用面で何らかの措置が必要との声が出ている」

――FEIの立場は。

「FEIには中小企業からゼネラル・エレクトリック(GE)やIBMといったグローバル企業まで全米約9千社が参加しており、米証券取引委員会(SEC)や米財務会計基準審議会(FASB)へのコメントレター送付などを通じ、財務に関するロビイング活動をしている」

「IFRSを全面導入するかどうかについて我々は判断する立場にはなく、SECからの提案を受け、会員企業で議論していく。現時点では、米国会計基準とIFRSとの差を縮める作業を全面的に支援していく立場だ。1つの高品質な会計基準を持つことは企業の透明性を高め、投資家との対話にとって重要だ。特にグローバル展開する企業では、異なる基準を併用するより、基準が1つであることがコストなどの面でも望ましい」

――IFRSの個別の基準案では、見直しを求めるコメントを出した。

「リース会計の公開草案に対しては、急いでやる必要があるのかと再考を求めた。米基準の金融商品会計でも、使い手の立場から負担になりすぎないかという声が協会内であり、FASBなどに働き掛けた。高品質な基準づくりのために、行き過ぎた部分はFEIとしてきちんと発言していく。コメントレターを出す際は4分の3以上の合意を条件とするなど、議論を尽くしている」

――SECが、全面導入に及び腰になっているとの見方も出た。

「そう受け止められかねない発言がSEC内部からあったが、一職員の個人的な見方に過ぎず、公式見解ではないと思う。共通化をやり遂げた上で、国内だけで事業展開するような企業のより多くが適用できるため、柔軟な運用を考えていくというのが真意だろう」

(聞き手は二瓶悟)

<記者の目>米の判断、影響大

米SECは2008年、IFRSを全面導入するかなどを11年に最終決定するよう提案した。これを受け日本の金融庁も09年、日本でのIFRSの導入の是非を12年に判断すると決めた。つまり、日本でのIFRS導入を巡る議論の行方は、米国での判断が大きく影響することになる。

ここにきて、米国のIFRS導入に対する姿勢の変化が話題になっている。IFRSと米国会計基準の共通化作業は進むものの、全面導入を巡っては大企業と中小企業との温度差も浮き彫りになりつつある。米国は世界最大の資本市場を抱え、米国会計基準の存在感はなお大きい。米国がIFRS導入に進むのか、判断を先送りするなど見直しに動くのか、日本の会計関係者はその動向を注視している。

((IFRS 視点・論点)企業間で姿勢分かれる 基準の共通化自体は必要 
全米財務担当役員協会会長 マリー・ホライン氏
2011/2/25付 日本経済新聞 朝刊 )

   +++

■国際会計基準では

米国公認会計士協会(AICPA)の全国大会(ワシントンD.C.)での、
米証券取引委員会(SEC)副主任会計士ポール・ベスウィック氏のスピーチ
(2010年12月6日)から引用します。

【訳】
米国にとってどのようなアプローチが合理的であろうか。
10月のSECのアップデートにおいて、我々は、多くの国は
コンバージェンスもしくはエンドースメント・アプローチのどちらかを
取るであろうと強調した。

個人的な意見としては、もし米国がIFRSに移行するのであれば、
コンバージェンスとエンドースメントの間のようなアプローチが適切であろう。それを「コンドースメント・アプローチ」と呼ぶことにしよう。
もちろん私の造語である。ちなみに、特許は今ちょうど出願中である。 

■きょうの単語
convergence [kənvə'ːrʤəns] 【名】 意見の合致、共通化
endorsement 【名】 裏書き、承認
admit [ədmi't] 【他動詞】 ~を認める
pending [pe'ndiŋ] 【形】 未決の、審理中の
as we speak たった今、今ちょうど

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