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「動く標的」に目標設定難しく 国際基準導入の企業も(IAS17号)

「今までにない発想の基準だ。正直なところ対応できていない」

日本百貨店協会の幹部は困惑の色を隠せない。

国際会計基準審議会(IASB)が打ち出したリースに関する新たな会計基準案では、ほぼすべての賃貸借契約を貸借対照表の資産・負債に計上する。その際、「賃貸借契約が継続する可能性が、継続しない可能性を上回る最長期間」を企業が推定することが必要だ。これに対し小売業界団体の日本チェーンストア協会は12月3日、来日したIASB関係者に「期間の見積もりは難しく、財務諸表の信頼性が下がりかねない」と訴えた。

企業会計基準委員会(ASBJ)が国際会計基準(IFRS)との共通化を予定通り2011年6月に達成できたとしても、それで終わりではない。同様に共通化を進めているIASBと米財務会計基準審議会(FASB)は今年、売上高(収益認識)やリースなどの新たな基準案を共同で公表した。

ASBJはこれらの項目でも共通化を視野に入れる。しかし金融危機の影響で欧米間でも作業は遅れがち。共通化の相手であるIFRS自体が動くなか、日本基準の共通化作業も目標設定が難しくなっている。

一方、一部企業の間ではIFRSそのものを導入する動きもある。11年3月期には住友商事がIFRSを導入するのに続き、別の有力企業も同期からの導入に向けて準備中だ。将来の導入をにらみ、親会社と子会社で決算期を合わせる動きなども出ている。

企業がIFRSをそのまま使うようになれば、日本基準の利用の場は、非上場企業や、上場企業が税制に対応するための単体決算などに限られる。その場合、日本基準をどこまで国際基準に合わせるかも問われそうだ。「国際基準の代替可能性を担保できる高品質の基準を独自に開発していけばよい」(早稲田大学大学院会計研究科の秋葉賢一教授)との指摘もある。

15~16年からIFRSを強制適用とするかどうかを金融庁が判断するのは12年。可能性は低そうだが仮に全上場企業に強制適用となれば、本格的に準備中とされる約100社以外は時間が限られる。「欧州でもIFRSの導入に3~4年の準備期間は必要だった」(KPMGベルリンのマンフレッド・ハンニッヒ氏)

((会計基準 揺れる共通化)(下)「動く標的」に目標設定難しく 国際基準導入の企業も
2010/12/25付 日本経済新聞 朝刊)

   +++

■国際会計基準では

国際会計基準審議会 (IASB) と米財務会計基準審議会 (FASB) が公表した、
公開草案(Exposure Draft ED/2010/9)「リース (Leases)」
(2010年8月)(日本語訳)へのコメントは、12月15日が期限となっていました。

「付録B 適用指針」より引用します。

【原文】karaoke
Present value of the lease payments
Determining the lease term (paragraphs 13, 34 and 51)

B16 The lease term is defined as the longest possible term that is more likely than not to occur. An entity determines the lease term considering all explicit and implicit options included in the contract and given effect by the operation of statutory law.

【訳】
リース料の現在価値
リース期間の決定(第13項、第34項及び第51項)

B16 リース期間は、発生しない可能性よりも発生する可能性の方が高くなる最長の起こり得る期間として定義されている。企業は、契約に含まれるすべての明示的及び黙示的なオプションと、法令の運用による影響とを考慮して、リース期間を決定する。

■きょうの単語
more likely than not どちらかといえば

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