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年金や開発費の調整難航 「単体」の扱い焦点に(IAS38号)

IFRS
日本の会計基準の国際化を目指し2005年から進められてきた、国際会計基準(IFRS)との違いをなくす「共通化」作業が揺れている。企業経営への影響や個別財務諸表の扱いを巡る議論が決着せず、年金や開発費の基準づくりが遅れているためだ。一方、IFRSそのものを採用する企業も出始めており、かじ取りが難しくなっている。

日本の会計基準づくりを担う企業会計基準委員会(ASBJ)は12月16日、当初年内をメドにしていた開発費や「のれん代」に関する公開草案の発表を11年1~3月に先送りした。連結決算を巡っては大きな異論は少ないものの、特に単体財務諸表を巡り「税法や会社法と密接に絡み調整が必要」(日本経団連)との声が多く、意見調整に時間がかかるためだ。

ASBJは国際会計基準審議会(IASB)と主な基準の差の解消を目指した07年の「東京合意」に基づき、共通化作業を進めてきた。期限は11年6月だ。

かねて欧州連合(EU)の証券規制委員会に差を指摘されていた26項目の基準作りは、製造業などの関心が高い開発費などを残すのみ。だが調整は難航中だ。

11月15日早朝。東京・日比谷の財務会計基準機構に有力企業の財務担当役員や会計界の首脳が集まり、開発費を巡る議論を繰り広げた。日本基準では開発費の全額を費用として計上するが、IFRSでは「将来、経済的価値を生み出す」と判断できる6つの条件を満たす場合は資産に計上する必要がある。

これに対し素材や電機といった大手製造業の財務担当幹部からは、「開発費の定義は業界や企業でバラバラ。実務負担も重い」「資産計上すれば課税所得が増えて税負担が重くなりかねない」「資産計上した開発案件が失敗すれば含み損が生じる可能性がある」といった異論が出た。

((会計基準 揺れる共通化)(上)年金や開発費の調整難航 「単体」の扱い焦点に
2010/12/23付 日本経済新聞 朝刊)

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■国際会計基準では

IAS38号「無形資産 (Intangible Assets)」に、
開発費の資産計上に係る6要件の規定があります。

【原文】karaoke
Development phase
57 An intangible asset arising from development (or from the development phase of an internal project) shall be recognised if, and only if, an entity can demonstrate all of the following:
(a) the technical feasibility of completing the intangible asset so that it will be available for use or sale.
(b) its intention to complete the intangible asset and use or sell it.
(c) its ability to use or sell the intangible asset.
(d) how the intangible asset will generate probable future economic benefits.
Among other things, the entity can demonstrate the existence of a market for the output of the intangible asset or the intangible asset itself or, if it is to be used internally, the usefulness of the intangible asset.
(e) the availability of adequate technical, financial and other resources to complete the development and to use or sell the intangible asset.
(f) its ability to measure reliably the expenditure attributable to the intangible asset during its development.

【訳】
開発段階
第57項 開発(または内部プロジェクトの開発段階)から生じる無形資産は、
会社が以下のすべてを証明できるときに限って、
認識することができる。
(a) 使用または売却が可能になるような、
 無形資産を完成する技術的な可能性
(b) 無形資産を完成し、使用または売却する意思
(c) 無形資産を使用または売却する能力
(d) 無形資産が有望な将来の経済的便益を生み出す方法。
 中でも、その無形資産からの生産物や無形資産そのものの市場の存在
 (資産が社内で使用される場合にはその有用性)を
 証明することができること。
(e) 開発を完了し、その無形資産を使用または売却するための
 十分な技術的、財務的その他の資源が使用できること
(f) 開発中の無形資産に帰属する支出を
 信頼性を持って測定できる能力

※ 開発費を資産計上するためには、
上記6つの観点から、
その支出が将来の経済的便益(≒収益)の獲得に
貢献する可能性が十分に高いことを
証明することが求められます。

■きょうの単語
attributable [ətri'bjutəbl] 【形】 (~に)起因する

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