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製造設備「高齢化」進む(IAS第16号)

IFRS
製造業が保有する設備が老朽化し始めている。工場や機械が稼働してからの年数を示す設備年齢は2010年に8.6年となり、2年連続で延びる見通しだ。リーマン・ショック後の世界的な需要の減少で企業が設備の更新を手控えたことが背景。円高に伴う設備投資の海外シフトにも歯止めがかからず、投資を原動力とする日本経済の成長力が高まらない要因になっている。

東海圏など顕著

内閣府の統計などをもとに日本政策投資銀行が試算したところ、製造業の設備年齢は08年の8.2年を底に高齢化に転じ、10年時点で8.6年となった。04年の8.7年をピークに若返りが進んだがリーマン・ショック後に再び高齢化に転じている。

金融危機で需要が急減した自動車業界などで設備投資を抑制する傾向が強まっている。地域別の設備年齢を見ると、自動車産業が集積する愛知県など東海圏では10年に8.1年と08年と比べ0.7年延びる見通し。首都圏は10年に10.0年で08年と比べ0.5年延びる。一方でシャープのテレビ用液晶パネル工場(堺市)投資などで関西圏は金融危機後も「若返り」傾向を維持し、10年は8.6年となる。

日銀の企業短期経済観測調査(短観)によると、全規模全産業の10年度の経常利益は前年度に比べて24.6%増加する見込み。企業の収益は持ち直し、潤沢な手元資金を抱えているにもかかわらず、国内の設備投資の水準は低いままだ。

財務省の法人企業統計をもとにした大和総研の試算では4~6月期の企業の設備投資額は8.9兆円。前の期と比べると小幅に増加したものの、金額は1987~88年ころの水準にとどまる。

設備投資額は4~6月期まで6四半期連続で減価償却費を下回り、国内の設備は実質的に目減り している。企業は能力増強だけでなく、現状を維持する設備更新の投資にも慎重 になっている。

海外シフト影響

ソニーは11年3月期の設備投資を前期比19%増の2300億円とする。デジタルカメラなどに使うセンサーを中心に設備を増強するが、減価償却費(3400億円)の範囲内にとどめる。金融部門を除いた手元資金も9月末時点で6838億円あるが、生産設備を積極的に増やすことは考えていない。

円高の進行もあって企業は設備投資を海外に移している。物価が持続的に下落するデフレからの脱却も見通しがたたず、経済成長への期待が高まらないため企業は国内の投資に及び腰になる。王子製紙は11年3月期からの3年間で1900億円の新規投資を計画しているが、このうち900億円は中国の江蘇省南通市に建設中の紙パルプの工場などに充てる。

「個別企業にとっての最適な選択が日本経済にとって最適とは限らない」。第一生命経済研究所の永浜利広氏は国内投資の抑制傾向が続けば、日本経済の潜在成長率が落ち込むことになりかねないと警鐘を鳴らす。

ただ、設備の過剰感は薄れつつあり、投資が再び持ち直す素地は整ってきたとの見方も根強い。大和総研の熊谷亮丸氏は「法人税の引き下げや貿易の自由化などで企業の前向きな投資を引き出すことが必要になる」と指摘している。

(製造設備「高齢化」進む 金融危機後、企業が国内投資抑制 経済成長の足かせに
2010/11/21付 日本経済新聞 朝刊

▼設備年齢 工場や機械などの設備を据え付けてからどのくらいたつかを示す指標。設備の「ビンテージ」とも呼ばれる。内閣府の民間企業資本ストック統計から推計するのが一般的。既存設備の前年の平均年齢をもとに、新規の投資と古い設備の廃棄を加味して計算する。老朽化した設備を廃棄し新たな機械を導入すれば、設備年齢は「若返り」が進む。

(設備年齢とは 2010/11/21付 日本経済新聞 朝刊)

   +++浅田真央 上村愛子 皆川賢太郎 黒木メイサ iPhone iPad 鳥居みゆき バンクーバー 東京スカイツリー SOX 内部統制 国母 中島美嘉 GooglePhone Twitter

■国際会計基準では

IAS第16号「有形固定資産 (Property, Plant and Equipment)」より、
「開示」に関する規定を引用します。

【原文】karaoke
Disclosure
73 The financial statements shall disclose, for each class of property, plant and equipment:
(a) the measurement bases used for determining the gross carrying amount;
(b) the depreciation methods used;
(c) the useful lives or the depreciation rates used;
(d) the gross carrying amount and the accumulated depreciation (aggregated with accumulated impairment losses) at the beginning and end of the period; and
(e) a reconciliation of the carrying amount at the beginning and end of the period showing:
(i) additions;
(ii) assets classified as held for sale or included in a disposal group
classified as held for sale in accordance with IFRS 5 and other
disposals;
(iii) acquisitions through business combinations;
(iv) increases or decreases resulting from revaluations under paragraphs 31, 39 and 40 and from impairment losses recognised or reversed in other comprehensive income in accordance with IAS 36;
(v) impairment losses recognised in profit or loss in accordance with
IAS 36;
(vi) impairment losses reversed in profit or loss in accordance with IAS 36;
(vii) depreciation;
(viii) the net exchange differences arising on the translation of the
financial statements from the functional currency into a different
presentation currency, including the translation of a foreign
operation into the presentation currency of the reporting entity; and
(ix) other changes.

【訳】
開示
第73項 財務諸表には、有形固定資産の分類ごとに
以下の項目を開示しなければならない。
(a) 減価償却累計額等控除前の帳簿価額の決定に用いた測定基準
(b) 使用した減価償却方法
(c) 使用した耐用年数(定額法等の場合)または償却率(定率法の場合)
(d) 期首および期末における、
 減価償却累計額等控除前の帳簿価額および
 減価償却累計額(減損損失累計額を合算)
(e) 期首から期末
に至る帳簿価額の増減明細(以下の項目を表示する)
 (i) 追加取得
 (ii) 売却目的に分類された資産、または、
   IFRS第5号「売却目的の非流動資産および廃止事業」に従って
   売却目的に分類された処分グループ
   およびその他の処分資産に含まれるもの
 (iii) 企業結合による取得
 (iv) 第31項、第39項および第40項の下での再評価、および、
   IAS第36号「資産の減損」に従ってその他包括利益に
   認識された、または戻し入れられた減損損失
   により生じた増加または減少
 (v) IAS第36号「資産の減損」に従って純損益に認識された減損損失
 (vi) IAS第36号「資産の減損」に従って純損益に戻し入れられた減損損失
 (vii) 減価償却費
 (viii) 財務諸表を機能通貨から別の表示通貨へ換算する
   ことによって生じた純換算差額
   (報告企業の表示通貨への在外活動の換算を含む)

 (ix) その他の増減

※  大ざっぱに言えば:
 期末帳簿価額
=期首帳簿価額-{(ii)除売却+(vii)減価償却費}+(i)追加取得±(viii)換算差額
です。

・「除売却」と「減価償却費」の合計と同額までの「追加取得」は、
 維持のための「更新投資」に、
・「除売却」と「減価償却費」の合計を超える分の「追加取得」は、
 「新規投資」にあたります。

■きょうの単語
property, plant and equipment = 有形固定資産
property [prɑ'pərti] 【名】 不動産
plant [plæ'nt] 【名】 建物、施設、設備
equipment [ikwi'pmənt] 【名】 設備、装置

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