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海外子会社の決算期、親会社との統一広がる ─「決算日のずれ」、IFRSでは。(IAS27号)

IFRS
(1年前の記事より)
日本のグローバル企業の間で、海外子会社決算期を親会社と統一する動きが広がっている。子会社決算期が親会社と異なると、直近の状況を四半期決算に反映できないからだ。二〇〇八年三月期に三菱商事や船井電機が海外子会社決算期を統一し、帝人も準備に着手した。投資家やアナリストから決算期の統一を求める圧力は一段と高まる可能性がある。

「以前から統一を求めていた。随分催促もした」。ある電機担当アナリストは、船井電が海外子会社六社の決算期を三月期に変更したことに、こんな感想を口にする。

液晶テレビなどを世界で販売する船井電は、海外売上高比率が八五%に達する。親会社は三月期決算だが、米国など海外子会社は十二月期決算だった。つまり船井電の十―十二月期の連結決算には海外子会社の七―九月期の業績が反映されていたのだ。

十―十二月期の連結決算では、最需要期である米クリスマス商戦の販売動向は反映されず、注目度の高い米国の年末在庫なども分からない。決算統一で「ようやくいびつな状態が解消された」と同社はいう。

「今年が四半期元年だ」。三菱商の安藤一郎コントローラーは強調する。同社は前期までに、中国など法律で制約のある会社を除き、ほぼすべての海外子会社を三月期決算に変更した。「子会社が十二月期ではタイムリーな決算にならない。三年がかりのプロジェクトだった」(安藤氏)

親子で決算期がずれているのは、日本では決算期が三月が中心で、海外は十二月が主流という事情がある。連結会計は決算期のずれが三カ月以内なら、そのまま連結することを認めている。

解決策は三月期に統一することだけではない。親会社を十二月期に変えることも選択肢だ。堀場製作所は親会社の決算期を十二月期に変え、海外子会社とそろえた。

海外子会社決算期を親と同じにすると、決算処理や監査が遅くなり、連結決算の発表が遅くなる恐れもある。だが、子会社の直近の状況がわからない四半期決算は、投資家やアナリストにとって有用な投資情報ではない。グローバル企業にとって決算統一はもはや避けて通れない道だ。(佐久間庄一)

【表】グループの決算期を統一した企業の事例   
三菱商   08年3月期までの3年間で約200社の決算期を3月期に統一
船井電   米、欧、アジアの子会社6社の決算期を12月期から3月期に
日立建機   08年3月期に海外子会社12社について12月期から3月期に
日産自   07年3月期から欧州など主要海外子会社を3月期に変更
堀場製   07年12月期にグループ全体を12月期決算に完全移行

(海外子会社の決算期、親会社との統一広がる、直近状況、四半期決算に反映。
2008/10/18, 日本経済新聞 朝刊)

   +++

■国際会計基準では

IAS27号「連結財務諸表
(Consolidated and Separate Financial Statements)」から、
「決算期」に関する規定を引用します。

【原文】karaoke
22 The financial statements of the parent and its subsidiaries used in the preparation of the consolidated financial statements shall be prepared as of the same date. When the end of the reporting period of the parent is different from that of a subsidiary, the subsidiary prepares, for consolidation purposes, additional financial statements as of the same date as the financial statements of the parent unless it is impracticable to do so.

【訳】
第22項 連結財務諸表の作成に用いる
親会社とその子会社の財務諸表は、
同じ日現在で作成しなければならない。

親会社の報告期間の末日が子会社と異なる場合、
子会社は、実務上不可能な場合を除いて

連結の目的で、親会社の財務諸表と同じ日現在で
追加的に財務諸表を作成しなければならない。

IAS1号「財務諸表の表示
(Presentation of Financial Statements)」に、
「実務上不可能な (impracticable)」の定義があります。

【原文】karaoke
Definitions
7 The following terms are used in this Standard with the meanings specified:
Impracticable Applying a requirement is impracticable when the entity cannot apply it after making every reasonable effort to do so.

【訳】
定義
第7項 次の用語はこの基準において、以下に特定する意味で用いられる。
「実務上不可能な」: 企業がある定めを適用するためにあらゆる合理的な努力を払った後にもそれを適用することができない時、その定めの適用は実務上不可能であるという。

※よほどのことがない限り、
 決算日の異なる子会社は、
 親会社と同じ日付で財務諸表を追加的に作成する
 必要があります。

■きょうの単語
unless [ənle's] 【接】 ~でない限り

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コメント

日系企業の米国での活動を支援させていただいている会計事務所の者です。日系メーカーの米国法人のTreasurerさんのコメントを読んで書かせていただきます。

IAS27 Para23を読みますと、決算期の違いは3ヶ月を超えてはいけないと書いてありますので、3ヶ月の違いを容認していると解釈してOKと言ったと思います。
もちろん、重要な取引や金額は、修正しなければいけませんが。


ちなみに以下に原文を貼り付けておきます。
23 When, in accordance with paragraph 22, the financial statements of a subsidiary used in the preparation of consolidated financial statements are prepared as of a date different from that of the parent’s financial statements, adjustments shall be
made for the effects of significant transactions or events that occur between that date and the date of the parent’s financial statements. In any case, the difference between the end of the reporting period of the subsidiary and that of the parent shall be no more than three months. The length of the reporting periods and any difference between the ends of the reporting periods shall be the same from period to period.

投稿: 米国CPA | 2010年11月26日 (金) 01時37分

日系メーカーの米国法人でtreasurerをしている日本人の者です。

米国実務では、IFRSが驚くほど盛り上がっていないのですが(SECを静観という感じ)、先日、KPMGとGTが相次いで弊社に来社され、IFRSへの対応方法というのをプレゼンして下さいました。

彼らが言うには、「米国子会社は12月、日本親会社は3月決算で適正意見が出せる」とのこと。ご丁寧に各ファームの解説書を頂き、そこでも決算期の違いはOKと書いてありました。

同じ英文でも、だいぶ解釈が異なるようですね。

投稿: 米国駐在員 | 2010年5月29日 (土) 09時32分

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